ひろしま市民パブリシスト

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『オペラ座の怪人』広島ロングラン公演の奇跡 H29.11.8(水)

突然ですが、ここで問題です。
広島カープが連覇を果たした2017年度の公式戦・開幕セレモニー(3月31日)で、国歌斉唱を行ったのは誰だったでしょうか?
正解は、劇団四季の高井治さん。ミュージカル『オペラ座の怪人』で主役を演じる俳優のお一人です。

黒いタキシードに、仮面姿でマツダスタジアムに降り立った高井さんは、舞台さながらに重厚なテノールを披露。作品の中で"音楽の天使"とも称されるファントム(怪人)の歌声は、長く苦しい公式戦の火ぶたを切ったカープ球団を、「V8」の歓喜に誘ってくれたようです。

そんなミラクルな国歌斉唱から半年を経て、9月14日に開幕した『オペラ座の怪人』広島公演。11月19日までのロングランが続く中、記念すべき初日に足を運ぶと、真紅のバラで埋め尽くされたロビーは多くの観客でにぎわい、終演後にはスタンディングオベーションによる熱いカーテンコールが待ち受けていました。
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                              初日の上野学園ホール(2017.9.14)

こうして広島に舞い降りた"音楽の天使"による感動的なエピソードを、本日は地元ならではの目線でお伝えいたしましょう。
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                              開演を待つ観客でにぎわうロビー

『オペラ座の怪人』は「現代のモーツアルト」と称されるアンドリュー・ロイド=ウェバー氏が、1986年にロンドンで誕生させたミュージカルです。国内では1988年に劇団四季が東京公演をスタート。来年4月29日には京都劇場で日本初演30周年を迎えます。

その間、中四国初のロングラン公演として、2001年に威風堂々と広島に登場したのが、このミュージカルだったのです。

パリ・オペラ座に棲む怪人と、彼の指導により才能を開花させた歌姫の悲恋物語。この大作を広島在住の演劇ファンが観ようと思えば、東京や大阪、福岡といった大都市に行くしかなかった時代に舞い込んだビッグニュースに、地元のマスコミも沸き立ちます。

「文化の地方分権に意欲」「この舞台を待っていた」「観客動員10万人突破も」-。今も大切に保管している2001年当時の中国新聞を取り出してみたところ、広島では不可能と思われていた夢の実現に寄せる期待がよみがえってきました。
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                              2001年・広島初演当時の中国新聞

これまでに35カ国164都市で上演され、約1億4000万人の動員数を誇る名作の公演地にわが町・広島が刻まれている史実も、決して平たんな道のりではなかったことを実感します。

また、このたびの公演は、16年ぶりの再演となりますが、上演会場の「上野学園ホール」はかつて「広島郵便貯金ホール」という名前だった。そして、郵政民営化の一環で2007年にホールの廃止が決まると、存続を求める署名活動等の高まりから広島県に譲渡され、ネーミングライツの導入によって現在に至る経緯を思い起こす方も、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

音楽の殿堂として愛され続ける公共ホールは、珠玉の楽曲が魅力の同作品を最高に仕上げる裏方として、日々の公演に誇りを感じているかのようです。
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                              表玄関のパネルは公演回数を表示

さて、今日も多くの外国人観光客が集う原爆ドーム界隈。平和大通で公演を彩るPRフラッグを目にした彼らは、こんな土産話も、母国で披露するのかもしれません。

「あの『The PHANTOM of the OPERA』をやっていたのよ。広島って、すごいでしょ!」

※参考資料:ニュースの窓「劇団四季『オペラ座の怪人』の魅力(2017.10.25)」
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                              ロングランを告げる平和大通りの旗


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                              広島駅売店の銘菓も作品とコラボ


                                                               ひろしま市民パブリシスト
                                                                      柿田 裕子

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