ひろしま市民パブリシスト

HIROSHIMA PUBLICIST

知る人ぞ知るマツダスタジアムのもう一つの顔 H30.11.5(月)

カープファンの誰もが、今年こそ「日本一」と予感していた日本シリーズでしたが、結末は、まさかまさかの暗転で幕となりました。
「長丁場を制して優勝したのはカープの方じゃ」と負け惜しみの一言も言いたい気分ですが、それはさておき、カープ人気はますます勢いを増し、今シーズンも、マツダスタジアムはいつも満員の大盛況でした。
ビジター用応援席を除くスタンド360度を埋め尽くすファンの証しカープ色「赤」と照明に映えるグランドの天然芝の「緑」とが醸し出す華やかさは、マツダスタジアムならではの光景なのです。

しかし、その華やかさの対極ともいえる、超地味だが、市民の安全な生活に直結する大事な施設が、マツダスタジアムの地下に存在している事をどれくらいの人達が知っているでしょう。
その施設とは、広島市下水道局が管理する「大州雨水貯留池」です。その見学会に、西区観音公民館の呼びかけにより集まった30人の参加者と一緒に、見学取材に行きました。

参加者がゆったりとカープロードを行きます。参加者がゆったりとカープロードを行きます。

案内役は、広島市下水道局 主任技師 杉岡氏と職員の方々。球場の真後ろ、見上げるような大きな扉の前で注意事項などを聞いたその扉が地下貯留池に降りる大型エレベーターの入り口と分かってびっくりです。地下施設の保守点検用の車両などを運ぶ為の大型エレベーターで、30人余りの見学者など、余裕たっぷりに地下7mの現場まで、あっという間に運んでくれました。

大きなエレベーターで地階へ降ります。大きなエレベーターで地階へ降ります。

地下7m、「貯留池」へ向かいます。地下7m、「貯留池」へ向かいます。

着いた場所は、まるで建設途中のビル内といった印象で、一応、照明はあるものの、薄暗さは否めないコンクリート地肌丸出しの実に素っ気ない空間でした。近年、異常気象などによる一極集中的な降雨量による甚大な被害が多発し、広島市とて例外でなく、突発的な天候に備える施策の一環として、マツダスタジアム建設の機に、大貯水池を球場地下に設けるというアイデアが実現したのです。

案内役の杉岡氏の解説を聞きます。案内役の杉岡氏の解説を聞きます。

貯留池の規模は、グランドとほぼ同じくらいで、直径100m、天井までの高さが4m余りの円盤状という巨大さです。その中に、学校のプール約20杯分7,000㎥の雨水が貯められる槽が2槽、合計14,000㎥もの雨水流入に対応します。それとは別に、球場部分に降る雨水のみを貯める1,000㎥の槽が一か所。この雨水を処理して300㎥の槽に貯め、グランド部分の散水や、球場内の水洗トイレ用に使われています。
意外だったのは、集められた雨水が球場西側で風情を感じさせる「せせらぎ水路」の流水としても使われているとのことで、省資源対策にも配慮した着想が素敵です。
これらの効果として、球場完成後この10年間に、満水4回を含む26回も稼働して、今年7月の西日本豪雨の際にも、球場周辺、大州地区の浸水防止に威力を発揮したのです。

排水された「貯留池内」に入れました。排水された「貯留池内」に入れました。

赤丸の地上が「丸選手」の守備位置だとか。赤丸の地上が「丸選手」の守備位置だとか。

カープ選手の一投一打に沸く球場内の興奮も伝わり難い地下で、まるで、ひっそりと息を潜めているかのような巨大な「貯留池」が、その働きぶりをあまり知られる事もなく控えてくれている図は、「縁の下の力持ち」を思わせる、なにやら示唆に富む存在であり、これからのオフシーズン、知られざるマツダスタジアム地下の地味ながらも大事な役目を担う施設にも足を運ぶ市民が増えてほしいなあ、と思わせる見学でした。

雨水の再利用水が「せせらぎ水路」を流れます。雨水の再利用水が「せせらぎ水路」を流れます。

(付記)
見学には事前の申し込みが必要です。見学後、今人気の「マンホールカード」カープ坊や版がいただけますよ!

見学記念品の「マンホールカード」です。見学記念品の「マンホールカード」です。

 

市民パブリシスト 有田 武志

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