ひろしま市民パブリシスト

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童心を呼び戻してくれる光たち ~「広島城 光の祭」にて~

タイトル

今、広島城天守閣広場では、日が暮れて辺りが暗闇に包まれてくると、大小おびただしい数の「光る玉子」たちが色鮮やかに浮かび上がり、その光景はさながら、魔法の光の園に迷い込んだ心地にさせてくれます。
そんな空間に心惹かれ見とれている内に、自分の年齢を棚に上げ、童心に戻ったかのように突飛な事を思ったりしました。広島城の祭1
広島城の祭2
広島城の祭3競演する「光の祭」の主人公たち

もし、「光る玉子」が「恐竜」の玉子だったとして、その大昔、類人猿とか人間の始祖達にとって「光」といったら、どんなものを目にしていたのだろうかと思ったのです。
「明り」といえるものは「太陽」か「月」か、ひょっとして「稲妻」もそうだったかどうだったのか?人間はいつの頃からそんな毎日を不自由だと思い始めたのだろうか?想像はエスカレートするのでした。
そんな思いがけない事を考えてしまうくらい日常を超越した、目の前の美しい「光」たちなのです。広島城の祭4
広島城の祭5 競演する「光の祭」の主人公たち

広島の民放の草分け、中国放送(RCC)がTV放送を始めて60年になる今年、広島城に初代藩主・浅野長晃(ながあきら)が入城して400年目と重なる今年を記念して、独創的なデジタルアートを発信し続ける世界的な人気集団「チーム ラボ」による「広島城 光の祭」を企画(47日まで開催)。
そのオープニングセレモニーが27日の日没後、湯﨑広島県知事、松井広島市長などの出席のもとに行われ、広島により多くの滞在型観光客を増やせる起爆剤になって欲しいとの期待をこめた挨拶などがありました。広島城の祭6オープニングセレモニーで盛会を期待する松井広島市長

この祭典の主人公である「光る玉子」は、言ってみれば、玉子型にデザインした大きな「風船」で、その中に新時代の光源であるLEDがセットされていて、半透明な素材の内側から照らすと、えも言われぬ、柔らかで優しい発色の姿が浮かびあがる工夫が威力を発揮するのです。広島城の祭7
広島城の祭8競演する「光の祭」の主人公たち

その風船が、唯、そのまま立っているだけでなく、人が強く触れたり、押すなど強いショックを与える事に反応して多彩な色に変化する仕掛けになっており、興味溢れる対象を前にしたら我慢などして居られない活発な子ども達は、パンチを浴びせたり、飛びかかったり、抱きついたり大胆に挑戦します。広島城の祭10
広島城の祭9競演する「光の祭」の主人公たち

美しく色の変化する様子を、小さな女児が、自分の背丈程の「光る玉子」の前で、身じろぎもせずに見入っていました。その胸の内に、どんな驚きが刻み込まれたのか想像するだけで愛おしくなってくるのでした。
広島城の祭11
広島城の祭12
広島城の祭13競演する「光の祭」の主人公たち

子どもはもちろん、大人も意表を突かれたように楽しんでいたのが、「お絵かきの武将たち」のコーナーです。
コーナー入り口で手渡される、武将やお姫さんの「ぬり絵」に自由に着色し、装置に記憶させると、かつてのシネラマ映画上映方式を思い出させる3台のプロジェクターで超横長のスクリーンに投影され、一枚の静止画だったはずの人物の絵が、アニメのように生き生きと動き始めて、歩き、踊ったりする不思議さと面白さ。自分が着色した人物をその中に見つけ出した人達から歓声が飛び交いました。
広島城の祭14「ぬり絵」を彩色中の人達
広島城の祭15「ぬり絵」の人物の躍動を映し出す大スクリーン

年末ともなれば、いたるところで煌めきに満ちたイルミネーションが人々の目を楽しませます。
さまざまな「光」に恵まれた時代の、心豊かな日々を思います。
今、「光の祭」に夢中の子らは、この先の時代を生きて、どんな新しい「光」を目にする事になるのでしょうか?
そんな事を考えさせてくれる会場を出ると、広島城周辺に林立するビル群の明るい窓や、疾走する自動車のライトが、夢心地の世界から、一気に日常に引き戻してくれたのでした。
広島城の祭16日常と非日常の「光」が隣り合わせの眺望

 

市民パブリシスト 有田 武志

「チームラボ 広島城 光の祭」 詳しくはこちら
https://www.hiroshima-navi.or.jp/event/2018/11/034678.html

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