最初に出会ったのが、路地裏からひょいとあらわれた白黒猫。「こんにちは!」と目で挨拶したら、迷路のように小路が巡る古い町並みのどこかへ消えてしまった。
今回の目的地「たけはら町並み保存地区」。広島ICから約30分、河内ICを降りてさらに車を走らせること約20分の場所。近くの「道の駅たけはら」で、まちあるきMAPを入手して、いざ町並み探検へ!


最初に出会ったのが、路地裏からひょいとあらわれた白黒猫。「こんにちは!」と目で挨拶したら、迷路のように小路が巡る古い町並みのどこかへ消えてしまった。
今回の目的地「たけはら町並み保存地区」。広島ICから約30分、河内ICを降りてさらに車を走らせること約20分の場所。近くの「道の駅たけはら」で、まちあるきMAPを入手して、いざ町並み探検へ!
メイン通りの「本町通り」に出てみると、「安芸の小京都」と呼ばれるにふさわしい情緒たっぷりの町並み。通りの先の先まで漆喰の壁と美しい格子窓が連なり、まるで江戸の昔にタイムスリップしたみたい。
北へ、北へ歩いていると、ふと右手に「まちなみ竹工房」という文字と可愛い竹の風車。中には竹原市竹工芸振興協会の会長有田さんが仲間とともに居られたので、お話を伺うことに。「昔ながらの竹細工の良さを皆さんに知ってもらおうと会員約50人が一生懸命腕を磨いて、竹製品の実演や販売をしています。体験もできますよ!」と有田さん。
工房を後にすると、通りの北端に、でんと鎮座する「胡堂」。眺めていると「ほら、あそこの屋根の先に見えるでしょ?…」と、お堂の周りを掃除していた女性がにこにこしながら話しかけてきた。商売繁盛の神様「胡堂」の屋根の先端に縁起物の鶴、亀、茄子、蕪が飾られていること、その1つ1つの意味もわかりやすく教えてくれた。
胡堂を過ぎて、突きあたりを左に小路を進むと「藤井酒造 酒蔵交流館」。館内には日本酒の試飲コーナーをメインに、お酒を楽しむための粋な器、酒米や酒粕を使った食品、化粧品など趣向を凝らした商品がずらり。なかでも一番興味をそそられたのが「酒蔵アイスもなか」。ひと口食べると、封じこめられた酒粕が一気に香りたつ。スッとした口どけも、う~ん、美味~。
さらに先に進むと左手に「光本邸」。外から見える位置のお座敷に、秋のお花を生ける女性の姿。あまりに素敵な様子なので見ていたら、「どうぞ~」との声。上がると手入れのされた閑静なお庭が目の前に。「町並み散策の休憩所に気軽に利用していただけたら…」と、先ほどの女性。隣の土蔵「今井政之 陶芸の館」の見学と併せて立ち寄るのにぴったりな和みの間だ。
ぐるりひと巡りしただけで、古い町並みを慈しみ大切に残したいと願う人たちに出会え、おもてなしの気持ちも伝わってきて、なんだか嬉しくなってきた。まだ見残している場所もたくさんあるので、今度またゆっくり訪れたいな~と思った。
(2017年10月取材)