ぶらり ひろたびぶらり ひろたび

Vol.14 呉の街歩き
「呉の街歩き~レトロな町並みが残る商店街の喫茶店・屋台通り~」

何気ない風景のなかに、古い趣を見せる呉市の「れんがどおり」。広島からほど良い近さもいい

何気ない風景のなかに、古い趣を見せる呉市の「れんがどおり」。広島からほど良い近さもいい

今回のテーマは、古き良き時代を彷彿させる呉の街歩き。JR呉駅から東方向に歩いて約15分のところに目的地「れんがどおり」はある。かつてレンガが敷き詰められていたことから、市民から「れんがどおり」の名で親しまれている、昔ながらの個人商店が軒を連ねる呉市きっての商店街だ。入口付近に立った瞬間からすでにレトロモダンな空気が伝わってくる。何があるのか、誰に会えるかな…。思わぬ発見があるかも!?期待をしつつ歩いてみよう。
今夜はたっぷり時間があるから呉名物の屋台にも足をのばしたい!というわけで、アポなしのぶらり旅は始まった。

八百屋のおじいちゃんがひと段落ついたのか、慣れた手つきでお店の前を黙々と片付けている。商店街には昔から変わらない、そんな日常の光景がよく似あう

八百屋のおじいちゃんがひと段落ついたのか、慣れた手つきでお店の前を黙々と片付けている。商店街には昔から変わらない、そんな日常の光景がよく似あう

ユニークな看板や衣料品店、かばん屋さん、喫茶店…古くから営業しているんだろうな…とうかがえる味のある商店を次々に発見。「こん感じのお店、小学生の頃あった、あった~」なんて懐かしさでいっぱい!

ユニークな看板や衣料品店、かばん屋さん、喫茶店…古くから営業しているんだろうな…とうかがえる味のある商店を次々に発見。「こん感じのお店、小学生の頃あった、あった~」なんて懐かしさでいっぱい!

老舗喫茶店で往年の魅力に浸る

あえて手を加えない、年月を経た味わいをそのまま大切にしている「サントス」

あえて手を加えない、年月を経た味わいをそのまま大切にしている「サントス」

さっそくお腹が空いたのでランチの場所を探していると、「サントス」の赤い看板が目に留まった。トントンと薄暗い階段を上って扉を開けると、やっぱり!!予想通り、いえそれ以上に“隠れ家”的。往年の女優さんのような貫禄たっぷりのママさんに「お好きな席にどうぞ~」と声をかけられ、カウンター席へ。厨房と行き来しながらママさんは、店のことを少しずつ教えてくれた。「両親がここを始めたのが1955年。当時この辺りで喫茶店といえばうちだけ。店名は父が、コーヒー豆の輸出が最大の『サントス』からつけたのよ」。目の前の「焼き過ぎレンガ」が60年もの歳月をかけて、もはや黒焦げ茶になっている。「……いろんなものを吸い込んで。手を加えてないけれど、ものすごくいい味でしょ?」とほほ笑むママさん。オーダーしたのは「オムライス」。ベーコンが香るケチャップライスとふわっとろの卵は、間違いないおいしさ!オーダーし損ねた名物「オムカレー」もいつかきっと食べてみたい。

こだわりのコーヒーを一杯ずつ丁寧に淹れる

こだわりのコーヒーを一杯ずつ丁寧に淹れる

卵3つ分を使用したボリュームもある「オムライス」が600円。長年変わらない値段も嬉しい

卵3つ分を使用したボリュームもある「オムライス」が600円。長年変わらない値段も嬉しい

じわじわ効いてくる生薬風呂の銭湯

街歩きの途中は気軽な銭湯でほっとひと休み

街歩きの途中は気軽な銭湯でほっとひと休み

店を後にして向かった先は、銭湯。先ほどの「サントス」で出会った女性客が教えてくれた「呉温泉」だ。暖簾をくぐると、どうやら温泉ではないけれど生薬風呂が自慢とのこと。初めて知った天然生薬「じっこう」風呂や、飲んだことはあるけれど入浴は初体験のどくだみ風呂(日替わり)は、さほど匂いもなく、じんわり体に浸透してくるようで気持ちいい。冷えや湯冷めを防ぐ効果が抜群らしいので、寒波の厳しいこの冬にはぴったりだと思う。

ジェットバス、サウナ風呂もあるのでいろいろ試してみよう

ジェットバス、サウナ風呂もあるのでいろいろ試してみよう

日没とともに、名物屋台が続々登場!

冬、シートで覆われた屋台の中はたいていストーブを焚いているのでポカポカ

冬、シートで覆われた屋台の中はたいていストーブを焚いているのでポカポカ

市役所前の筋、蔵本通りには日が暮れる前から屋台の設置が始まる。そして午後6時も回れば、次々にポツポツと提灯に灯が点り名物屋台が営業開始。1軒目は「かさ」。常連さんらしき二人と大将とで盛り上がっているところへ「お邪魔しま~す」。実は大将のお母さんが開店して、今年5月で50年目を迎えるという超老舗。「一期一会の出会いも大切。皆で盛り上がれる話が出れば、つついて広げています(笑)。とにかく楽しく!」と大将が言えば、「グチを聞いてもらってます~(笑)」と常連さん。ずらり貼られた記念写真やシートに書かれたたくさんのメッセージを見れば、店の歴史と大将の人柄がすぐに伝わってくる。2軒目は、小窓からほんわか湯気と香りが立つ「メキシコ」へ。名物「わふうらあめん」は昆布出汁の効いた優しい味わい。一杯ぺろりだ。裏に回ればテーブル席もあって、まるでお家の中みたいなほっこり感漂う。そのほか炭火の地鶏が味わえる「まんまる」など、現在10店もの名物屋台が並ぶので、ぜひ、うんとお腹を空かせて訪れたい。
呉の昼と夜のぶらり旅。呉の変わらない景色やたまたま巡り合った名店、人々。みなどこかで繋がっているようで、懐かしい気持ちになれた。また訪れたいなぁと思った。

味のしっかりしみ込んだおでんをはじめ、大将の新メニューも楽しみの一つ

味のしっかりしみ込んだおでんをはじめ、大将の新メニューも楽しみの一つ

「お客さんがチェキで撮ってくれて。写真を見るとどうしよるんかね~と思う」と大将

「お客さんがチェキで撮ってくれて。写真を見るとどうしよるんかね~と思う」と大将

時には外まで笑い声が響き楽しそうな様子が伝わってくる

時には外まで笑い声が響き楽しそうな様子が伝わってくる

「メキシコ」の小窓から漂う美味しそうなラーメンスープの匂い

「メキシコ」の小窓から漂う美味しそうなラーメンスープの匂い

麺の湯切りの手際の良さを見ているだけで「旨いに違いない!」と確信

麺の湯切りの手際の良さを見ているだけで「旨いに違いない!」と確信

とろろ昆布がのって、お腹にも優しい「わふうらあめん」。もちろん締めにも

とろろ昆布がのって、お腹にも優しい「わふうらあめん」。もちろん締めにも

炭火の炎で豪快に地鶏に焼き目をつける「まんまる焼き」は香ばしくて噛み応えがある。3食限定

炭火の炎で豪快に地鶏に焼き目をつける「まんまる焼き」は香ばしくて噛み応えがある。3食限定

れんがどおり商店街に関する情報はこちら

(2018年1月取材)

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