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Vol.25 周防大島町 みかん鍋
みかん島のみかん鍋にギョ魚ぎょっ!

 

山陽自動車道玖珂ICから南東へ向けて車を走らせること約30分、淡い緑色の大島大橋を渡れば周防大島に上陸だ。実はこの島は瀬戸内海で3番目という大きな島。そして「みかんの島」と呼ばれるほどみかんの産地であり、その生産量は山口県内の8割を占め、なんと冬場は名物「みかん鍋」が登場するという。未知なるお味は如何に?さっそく名物鍋が味わえる12店舗のうちのひとつ「竜崎温泉 ちどり」を訪ねてみた。

みかん鍋

みかん鍋に使われるのは「鍋奉行御用達」という焼印の入ったものだけ。

みかん

車を走らせていると、太陽の光をたっぷり受け、たわわに実ったみかんの木があちこちに。さすがみかんの島。

竜崎温泉 ちどり

「みかん鍋」が待つ、ここが「竜崎温泉 ちどり」だ。

見て楽しく、味も良し。みかんと魚介の最強タッグ

さっそくレストランの厨房に潜入~。
料理長さんが鍋の仕込みをしている様子を見せていただいた。野菜や魚介がたっぷりで、オレンジ色が効いた豊かな彩り。目で見て食すというのは、まさにこのこと。魚介は真鯛、赤足海老(というらしい)などほとんどが近海で獲れたもので、ここ大畠瀬戸は日本三大潮流の一つといわれているから、魚のおいしさは言うまでもないだろう。期待大!

鍋の仕込み

瀬戸貝

じゃーん、こちらは「瀬戸貝」という貝で、見た目もお味もムール貝によく似ているとか。もちろん近海で獲れたもの。

みかん鍋

やっぱりみかんの存在感は圧倒的。みかん果汁を入れた白玉もトッピング。

待つ間に、「みかん鍋」の定義なるものを教えていただいた。まず欠かせないのは、「鍋奉行御用達」という焼印の入ったみかん。これは、JA山口大島の選定基準や広島県環境保健協会の検査をクリアした証で、皮つきのまま入れても安心・安全、もちろん味もお墨付き。次に、みかん果皮や果汁を練りこんだ地魚のつみれを入れること。そして3つめが柚子胡椒ならぬみかん胡椒をきかせ、ピリリと味のアクセントにすること。なかなか、奥深い味が楽しめそう!

具材

15分くらいすると、魚介とみかんの香りがほわ~んと漏れてきて、食欲もMAX。蓋を取ると、一気に湯気があふれ出てきて、柑橘の香りが胃袋を刺激する~。

まずはお出汁をごくり

まずはお出汁をごくり。そして真鯛をパクリ。「あぁ、魚と柑橘ってこんなに相性良かったっけ?!」爽やかなみかん風味と魚介エキスが、予想を遥かに超えてマッチング。魚がぷりっぷり。

みかん胡椒

ピリリと旨味をプラスする、コレが噂のみかん胡椒。大島産みかん100%。いつもの鍋より数倍ぽかぽかしてくる。焼きみかんももちろん食べられるが、かなり熱々なので、あらかじめ取り出しておこう。

真っ白ふわふわ、その正体は!?

「お楽しみはまだあるんですよ」と館長さん。「え~!?まだあるんですか?」

みかん雑炊

ジャジャジャジャーン、蓋を開けると??真っ白なもこもこ。なんと、その正体はメレンゲ。普通ご飯に全卵を入れるところを、白身と黄身を分けて、白身をメレンゲ状に泡立ててから投入すると、こんなにふわもこ状になるというわけ。さらに黄身を回し入れ刻みネギをのせると、そうなんです!形もまさしく「みかん雑炊」。なるほど~。

みかん雑炊

お玉で鍋底までさっくりすくい上げて口に運んでみる。「うゎ~、何コレ!」

ふわっふわのメレンゲと、魚介のお出汁の浸みたとろとろのご飯が口の中でとろけ合う。みかん胡椒もきいて「コレおいしい~~!!」。

一味も二味も違った鍋に感極まったところで、館長の山根さんに「みかん鍋」誕生の秘話について伺ってみた。

館長の山根さん

「みかんの島のご当地グルメとして何かできないかと、12年前に『鍋奉行の会』が立ち上げられました。最初はお出汁にみかんジュースを入れたり、輪切りのみかんを入れてみたり。試行錯誤しながら、ようやく今の形になりました。見た目のインパクトもありますが、地魚や野菜をたくさん入れているのでとにかく美味しいんです。規格外の小ぶりのみかんの有効活用にもなっているんですよ」。
農家の方が丹精して育てたみかんを余すことなく活用。しかも最後の最後まで“みかん”愛にあふれた鍋。ちなみに焼印は、観光協会の方々が煙にまみれながら、何千個も一つ一つ手で押しているというから、名物鍋への並々ならぬ想いを感じる。

「みかん鍋」は同館を含む周防大島の12のお店でいただくことができる。時期は11月~3月下旬。「竜崎温泉 ちどり」では1人前2160円(4人前以上、要予約)。

紅葉が残る山々の風景

12月というのに、まだ紅葉が残る山々の風景。のどかな景色と新郷土料理をご馳走様。まだ味わっていない人は、ぜひこの冬、名物「みかん鍋」を目指して周防大島へ!

大島大橋

あいにくの曇り空だが、大島大橋を渡ったところで運よく晴れ間がぽっかり。今日は強風、しかも干満の差があったのか渦潮がたくさん見えた。

「みかん鍋」について、詳しくはこちら
スオウオオシマドットコム「みかん鍋」

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